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4月から五島に移住したい方へ #新生活 #島暮らし

毎年2月から3月にかけて、五島市の移住相談窓口には、多くの問い合わせがあります。
今回の記事は、移住歴6年の五島市移住支援員が、新生活を迎えるタイミングで五島市に移住したい方へ向けた、家探しのポイントを具体例とともにお伝えします。

必要な内容をまとめた結果、5000文字を超えてしまいました。
スキマ時間に少しずつ読み進めたり、目次から気になる内容に飛んだり、どんな形であれ五島市の現状を知っていただければと思います。


まずは、この時期の移住支援員へよくある相談の例です。

・面接に受かったけど、家が決まってないから契約を結んでもらえない
・4月から働くことが決まっているけど、家が見つからない
・家が決まらないから車を購入できない
・ネットで検索をしても市内の賃貸情報がヒットしない
・今すぐに家を見つけたい
・家を紹介してほしい

このように、相談のほとんどが「勤務先は決まっているけど、住むところが見つからない」という内容です。実際に、1月現在も「急いで家を探したい」という問い合わせが入っています。

移住相談窓口に問い合わせをしなければならないほど、家を見つけることが難しいのは何故なのか、その理由を次項でお話します。


島で家が見つけにくい2つの事情

移住するにあたり、家が見つけにくい理由として、物件の事情入居者の事情の2つにわけられます。

◎物件の事情

まずは、五島市にある物件について、3つの理由があります。

理由1住める物件が少ない

「田舎=空き家が多い」というイメージの方も多いのではないでしょうか。
これはマルか、バツかでいうと、マルです。

ただし、「空き家が多い=すぐ借りられる」というのはバツです。
その主な理由は・・・

  • 物置きとして使っている

  • 仏壇や大切なものが残っている

  • 島外に住む親せきが長期休暇の際に使っている

  • 書類の手続きに時間がかかる

  • 荷物を片付けるのが大変

  • 老朽化が進んでいる

これらの理由により、すぐに貸せる(借りられる)状態ではない空き家が非常に多いのが現状です。五島市に限らず、移住先として人気の離島(田舎)は、どこも似たような状況です。

理由2圧倒的に平屋が多い

これは、田舎ならあるあるですが、土地が広いので市内の住宅のほとんどが平屋(戸建て)です。

中には、一人暮らしには広すぎる物件もありますが、そもそも田舎には一人暮らしにちょうどいい物件があまり存在しないのです。

「家がない」とはいいますが、実は近年、集合住宅が増えているのです。(詳しくは後ほど)それにより数年前に比べて、だいぶ家探しもスムーズになった感覚があります。

理由3:ネット上の物件情報が限られる

「ネットに物件情報が出てこない」というのは、本当によく耳にします。
それには2つの事情があります。

まず1つめ。

五島市内には、不動産会社が14社あります
その多くが、ワンマン経営、または家族経営です。そのため、ホームページがない会社もあり、これがネット上に物件情報が少ないと言われる理由です。

不動産会社への物件に関する問い合わせは、直接電話でのお問い合わせがおすすめです。来島の予定がある場合は、事前に予約の上、直接事務所へ訪ねてみましょう。

※移住支援員より不動産会社のおすすめ(斡旋)はできないため、公式ホームページに不動産業者一覧を掲載しています。ページ下記のリンク集からご覧ください。

続いて2つめ。

「五島市 物件」等で検索をかけると、五島市の空き家バンクのページがヒットします。
空き家バンクとは、市内にある空き家物件の情報を五島市の公式ホームページ上で提供する制度のこと。

既に、五島市の空き家バンクのページを見られている方は、「いつも同じ物件が載っている」、「なかなか更新がされない」と思うと思います。

五島市としても空き家を活用し、老朽化を防ぐために、空き家の所有者に空き家バンクへの登録をさまざまな形で推奨しています。
そして、空き家の所有者の方から空き家バンク制度への登録希望があった場合、手続きを進め、やがてホームページ上に物件情報が掲載されます。

ですが、理由1に書いたように何らかの事情によって空き家バンクへの登録ができない物件が多くあり、不動産物件と同様に、いつ、どんな物件が掲載されるかは、掲載されるそのときまで移住支援員もわからないのです。

※空き家バンクは、物件の登録があった場合、水曜日に物件情報を掲載します。物件一覧は、ページ下記のリンク集からご覧ください。

◎入居者の事情

続いて入居者側について、2つの理由があります。

理由1:物件に対する希望条件が多い

こちらは、よくある希望条件です。

  • 即日入居可能

  • 海に近い

  • 歩いて買い物に行ける

  • 家賃3〜4万台

  • 駐車場付き

  • 庭(畑)付き

  • ペット可

  • 綺麗

  • バス・トイレ別

  • ウォシュレット

極端ですが、これは欲張りな例です。
ちなみに、筆者は移住支援員を4年間勤めていますが、このような物件は一度も見たことがありません。(新築で建てている方はいます)

つまり、住まいの希望条件が多ければ多いほど、物件は少なくなっていくのです。
今、五島市に移住しているの方の多くは、このうちの2つ(多くて3つ)くらいで家探しをしていました。

なにより「急いで家を見つけたい」という方の優先順位は、ダントツで即日入居可能でしょう。その次にエリア、または家賃が重要になると思います。
今すぐに家を見つけなければならない状況にある方は、即日入居可能・エリア、もしくは即日入居可能・家賃の条件で家を探しましょう。

理由2積極的に家を探していない

「いやいや、この記事を読んでいる時点で必死に家探してるし!」という声が聞こえそうですが、これ実はあるあるなんです。

  • 不動産業者のホームページをチェックしている

  • 空き家バンクの物件一覧をチェックしている

これらのアクションは一見、家探しをしているように思えますが、五島市の家を見つけるには、これでは足りないのです。
どちらもホームページに情報が掲載されるのを待っているだけでは、なかなか家は見つからないでしょう。

アナログな話ですが、営業職のように、足で稼いだ人に物件は見つかるのです。
詳しくは、次項でお話します。


島で家を見つける方法6選

さて、五島市で家が見つからない理由とポイントをお話しました。それでは、家探しから解放されるための方法を見ていきましょう。

1:単身向けの賃貸物件

「家の事情/ポイント2」で触れましたが、近年、市内(福江島)に集合住宅が続々と建設されていて、その多くは、単身者用の住宅となっています。

完成前から不動産会社より入居希望のエントリーを行っている物件もあり、毎年3月から4月にかけて入居者が決まっているようです。

※先述の通り、移住支援員より不動産会社のおすすめ(斡旋)はできないため、公式ホームページに不動産業者一覧を掲載しています。ページ下記のリンク集からご覧ください。

2:移住希望者向け住宅、シェアハウス

近年、単身や若い世代の移住が増加している五島市。民間企業がその世帯に向けて、新たな住宅を生み出しています。

「五島市 シェアハウス」等で検索をすると何件かヒットします。
※移住公式ホームページ上にまとめページを制作中ですm(_ _)m

これらの住宅を利用すると、同じような移住者同士で交流できるメリットがあります。

3:五島市の住宅支援

●短期滞在住宅

こちらは、五島市が管理する、五島市への定住に向けた仕事探しや住まい探しの拠点として、短期的(1ヶ月以上3ヶ月未満)に利用できる住宅です。

大変人気で、常に数か月先までほぼ満室となっています。
即日入居はできませんが、急遽キャンセルで空室が発生する場合があります。ただし、利用には条件があるため、詳しくはページ下記のリンク集からご覧ください。
※空室状況は、公式ホームページには掲載していません。個別に移住相談窓口へお問い合わせください。

●長崎県職員独身寮「三友寮」

五島市外に居住し、今後市内の民間企業等に就職する予定の40歳未満の男性を対象とした、長崎県が運営する寮です。
利用には条件があるため、詳しくはページ下記のリンク集からご覧ください。
※詳しくは、長崎県五島振興局総務課にお問い合わせください。

4:移住前に現地を訪れる

「入居者の事情/理由2」でお話した、積極的に家を探すというのは、移住前に来島して情報収集を行うことです。

「働きながら来島して家を探す時間なんてないよ!」という大きな声が聞こえてきそうですが、五島市に移住している方の多くは(全員といっても過言でないぐらい)、自ら時間を作り出して来島し、家探しを行っています。

実際に、現地を実際に訪れることで、距離感やアクセス、島の規模感、生活環境や地域のことを知ることができます。
また、カフェや居酒屋を利用したタイミングで知り合いを作ったり(意外と簡単に知り合えます)、そこから新たな情報を得たり、移住前から現地と関係を築くことができます。

ちなみに筆者も移住前には3回ほど来島しました。
1回目、旅行&下見。
2回目、企業面接&家探し。
3回目、家の契約&荷物運び。
最近は、1回目の来島で下見&家探しを行い、企業面接や契約は、オンラインや郵便で済ませる方が多いですね。

移住前に現地に来ることはメリットしかない!と言いたいぐらい、とても重要なことであり、離島移住にはマストです。(お金も時間もかかってしまうのはデメリットですが、仕方ありません・・・)
これまでお話したように、簡単に家が見つからない状況で、下見をせずにいきなり移住するのは、なかなかハードルが高いと思います。

5:勤務先の担当者に協力してもらう

五島市に住む人々は、島内で家が見つかりにくいことをよく理解しています。
これまでご紹介した家探し攻略法をこなしても物件に出会えない場合は、正直に勤務先の担当者へ相談してみましょう。

過去に、「勤務先の人が物件を探してくれた」、「就職先の担当者の身内の方が使っていない物件を紹介してくれた」など、職場の協力によって家が確保できた方がいます。

時折、移住相談窓口には、企業の社長や人事担当の方が「採用予定の人の家を探している」と訪ねてくることがあります。
企業も早く働いてほしいという気持ちがあるので、お互いのために、ぜひ一度相談してみましょう。

6:採用時期を延期してもらう

採用日までにどうしても物件が見つからない場合、勤務先に事情を説明して、採用時期を見直してもらう方法もあります。

現在の五島市内は、多くの企業が人手不足の状態です。
これから一緒に働いてくれる人を「家が見つからないから」という理由だけで、採用を白紙に戻すことは、あまり考えられません。先述したように、家が見つからないという状態は、企業にとっても決して珍しいことではなく、企業側も家探しに必死なのです。

働きたい気持ちを伝えながら、採用時期を相談してみましょう。


移住の目的が「島暮らし」の方へ

今回は、「勤務先は決まっているけど、住むところが見つからない」という内容のため、就職・転勤等で、五島市に移住される方に向けて書きました。

もしかすると、仕事よりも五島市で暮らすこと(離島生活)が目的という方もいるかもしれません。最後に、そのタイプの方におすすめしたい家探し法を2つお伝えします。

1:時間をかけて希望に近い条件の物件を見つける

例えば、3月で現職場を退職することだけ決まっているけど、五島市での就職先は未定の方は、どうしても今すぐに家を見つけなけれなならないという状況ではありませんよね。

また、3月から4月は、引越し業者が繁忙期で料金が高くなります。タイミングによっては、離島までの引っ越しを受け付けてもらえない場合もあります。

それなら、ここは焦らずに情報収集を続けて、できれば何度か来島して現地の人とコミュニケーションを築いて、希望に近い物件を見つけていきましょう。

2:二段階移住を視野に入れて、仮住まいの物件を見つける

二段階移住とは、まず島の都心部に移住し、生活を始め、暮らしに慣れてきたら、あらためて島内(市内)で移住したい先へ引っ越すことをいいます。

人生のタイミング的に、今この瞬間に動かないと!と決意している方は、ひとまず五島市に身を置くために、即日入居可能な物件に引っ越してしまいましょう。

その後、島の暮らしに慣れていくにつれて視野や人脈が広がり、自分が本当に気に入った地域に出会えるかもしれません。そのとき、あらためて島内で引っ越しをしましょう。

近年、五島市内でも二段階移住される方を見かけます。
とくに福江島は広く、地域によって景色、文化、人や町の雰囲気が異なるため、自分自身にしっくりとくる場所が見つかりやすいですよ。

まとめ

離島の家探しは、積極性がカギ!

五島市の住宅事情についてお話しました。
一筋縄ではいかないのが離島移住です。それでも、諦めずに情報収集をしていくと、やがて良い物件に出会えるはず。

  • 現地でたまたま出会った人が物件情報を教えてくれた

  • 何度も不動産会社に尋ねたら、掘り出し物の物件を紹介してくれた

このようなタイミングと運と縁によって、家を見つけた移住者は大勢います。

そんなこと本当にあるのかな?と半信半疑になるのは無理もありませんが、自ら動けば動くほど、それだけ多くの人と出会い、さまざまな情報が得られるものです。

参考リンク集

◎五島市Ⅰ不動産業者

◎五島市Ⅰ空き家物件

◎長崎県Ⅰ職員独身寮「三友寮」

◎五島市Ⅰ短期滞在住宅

◎五島市Ⅰオンライン移住相談(毎月開催)

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